沢木耕太郎と藤圭子。二人の会話を隣で聞いているかのような…。「流星ひとつ」
ページをめくるごとに火酒が進み
火酒が進むごとに会話が弾んでいく。
その様子をコタツでぬくぬくと温まりながら堪能しました。
かつて31歳の沢木耕太郎が
インタビューの書式をあれこれと試していた頃
ちょうど藤圭子の引退の話を聞いた。
圭子の歌に対する情熱と思いは
読みながらメロディーが脳裏をさまよい
またお嬢さんである宇多田ヒカルさんの声までもそこに。
けれど彼女はその生い立ちからなのか
男性を見る目がなかった。
その哀しさを、一方では「芸」を売る人だからと。
凡人である私が、どこかで言い訳している。
2時間という短い間
心が30年前にタイムスリップしました。
あの頃を振り返りたい人にはオススメの1冊。
そしてインタビューの極意を味わいたい人にも。